短いながら濃密な高速戦闘体験『Bright Memory Infinite』
どうも、とりふぁです。
今回は、自分のYouTubeチャンネルとの連動記事になります。
どういうことかと言いますと、正直、自分がYouTubeをやるのは趣味の延長線上でしかないのですが、でも、やるからには何かしらの差別化をしていきたいなと思いまして、その上で自分にできることはと考えた結果、「やったゲームをブログでレビューすればいいんじゃね……?」という結論に至りました……(笑)
てなわけで、今回から、YouTubeの方で1シリーズ完結するごとに自分なりのゲームレビュー記事を作成していこうと思います。
YouTubeの方ではストーリーを1から10まで全部動画化しちゃってるわけですが、レビューとしてはいつも通りネタバレなしでやっていこうと思いますので、これからプレイしてみようかな? という方の参考になれば幸いです……!
ゲームレビューとしては、以前、『RED DEAD REDEMPTION』の記事をあげたことがありますが、その記事は、どちらかと言うと映画好きにオススメするような形を意識していたのですが、YouTubeとの連動記事となる本シリーズは、よりゲーマー目線でお送りしたいと思います。
では、第1回『Bright Memory Infinite』のご紹介、いってみましょう!
『Bright Memory Infinite』のあらすじ
2036年の中国。
大晦日を祝い、盛大な花火が上がる中、突如として空に異変が起こる。
謎の異常気象が発生し、その周囲では、地形の崩壊までもが観測されたのだ。
事態を重く見た【SRO】は、エージェントを派遣し、原因究明に乗り出す。
そして、年末の休暇を取っていたシアにも緊急出動命令が下される——。
「——前方に、巨大なブラックホールが見えます……!!!!」
↓とりふぁによる実況動画はこちら
概要
リリース日:2022年11月12日
プレイ人数:1人
ジャンル:アクション/FPS
対応プラットフォーム:PC
※前作にあたる『Bright Memory』はXbox series X、iOS、Androidでも発売中。
価格(税込):1,980円
※前作にあたる『Bright Memory』の購入者は無料配布あり。
対応言語:日本語/中国語(簡体字)/英語
※日本語版はフルボイスの吹き替えあり。
開発元:FYQD-Studio
レビュー
たった一人で作り上げたFPS、夢の完全版
本作には、『Bright Memory』と言う、たたき台となったプロローグ的作品があります。
その作品は、画面の質、プレイの質共に非常にハイレベル(私自身は所持していますが、キーバインド機能がなかったため、プレイはしていません。ストーリー等も全く違うようなので、動画化するかは別として、今後プレイする予定ではいます)でありながら、その実、完全なる個人制作ということで注目を浴びた作品でした。
そしてその『Bright Memory』を叩き台に、さらなるブラッシュアップを重ねて完成した、完全版とも言える作品が、今回ご紹介する『Bright Memory Infinite』なわけです。
完全版作成にあたり、完全個人制作というわけではなくなったようですが、しかし、関わるスタッフが増えたとは言っても、楽曲提供などのレベルに留まっており、ゲームの基礎部分や、画面の美しさなどは、やはり個人の技術とセンスによるものであるというところは変わっていません。
製作者は、Zeng Xianchengと言う方で、、何とこの方、15歳頃からほぼ独学でゲーム制作について学び初め、10年足らずの間に『Bright Memory』を作り上げるに至っているのです。
その才能と努力足るや……! という驚きを感じると共に、逆に言えば、独学でも、センスと努力、そして、創意工夫次第で、これほどの作品を生み出せるのだということでもあり、クリエイター志望の方には、非常に勇気の出る話でもあるのではないでしょうか?
創意工夫という点で言うと、例えば本作は、登場人物の表情をキャプチャーする際に、iPhoneを使用して、自分で演技しているそうです。
もちろん、これだけの映像を生み出すには、ハイエンドなPCが必要になってくるであろうということは想像に固くありませんが、しかし、美麗なグラフィックや、複雑な物理演算などにこだわらなければ、こういった身の回りにあるものや、自分自身をどうにか使えないだろうか? という工夫や代用の積み重ねでもゲームは作れるということ。
つまり、本作は、個人制作でも物凄いクオリティのゲームは生み出せるという見本であると共に、知識さえあれば、あとは創意工夫でどうとでもなる! という好例でもあるわけです。
そう言う意味で、本当、全てのクリエイターに勇気を与える一本だと思いますね。
撃って切って弾いて躱す!至高の至高の高速戦闘体験
本作は、ジャンル的には主観視点のシューティングゲーム、いわゆるFPS(First Person Shooter)に分類される作品です。
しかしながら、多くのFPSとは明確に異なったコンセプトが設けられているため、ゴマンと存在する一般的なFPSとははっきりとした差別化ができており、それこそが、本作独自にして最大の面白さとなっています。
では、そのコンセプトとは何か。
自分なりに説明するならば、それは、多彩な攻撃方法を駆使して、華麗かつスピーディーに、並み居る敵を次々と薙ぎ倒していく高速戦闘FPSということになります。
本作の主人公シアは、アサルトライフルやショットガン、ハンドガン、スナイパーライフルと言った、FPSにはお馴染みの武器を扱うのみならず、光刃と呼ばれる日本刀のような刀剣や、爆炎を纏ったパンチ、さらには衝撃波を起こしたり、敵を引き寄せたりというサイキック能力までをも駆使して戦っていきます。
それに加えて、二段ジャンプやスライディング、場所によっては、壁走りや、グラップルを使用した多彩な移動方法まで用意されています。
また、光刃を構えて、敵の攻撃を防いだり、弾き返したり、横や後ろへ一瞬で高速移動して敵の攻撃を躱したりすることも可能なため、FPSにありがちな、隠れては撃ち、撃っては隠れという戦い方ではなく、ステージ内を縦横無尽に駆け回り、飛び跳ねながら、目にも留まらぬスピードで次々と敵を葬っていくというような戦い方が可能になっています。
さらには、敵の攻撃をタイミングよく弾き返すことで、敵に隙が生まれるだけでなく、銃の自動リロードまで行われるため、とにかくテンポよく常に攻撃し続けることが可能なゲームデザインになっています。
こうしたゲームデザインは、『Devil May Cry』シリーズや『◯◯無双』のような、三人称視点のいわゆるアクションゲームとしては数多く存在しますが、ことFPSともなると、実はなかなか珍しいです。
しかも、操作性もばっちりで、そのゲームデザインをきちんと体験できるため、非常にハイテンションかつハイスピードな戦いをストレスフリーで楽しむことができます。
というか、感覚的には、『アーマード・コア』の、特に4系統に近い気もしますので、ロボットは出てきませんが、ああいう操作感のゲームがやりたいって方にもオススメできるかもしれません(笑)
↓てか、今初めて知りましたが、『アーマード・コア4』ってプレミア価格になっちゃってるんですね!!
取っておけばよかった(;´・ω・)笑
中国山間部を舞台とした多種多様なシチュエーション
本作で意欲的なのはアクションだけではありません。
そのアクションを行う【場所】もまた意欲的に作り込まれています。
というのも、各ステージに、実に様々なシチュエーションが用意されているのです。
実在する地域をモデルにしたという、中国山間部の峠道から、観光してみたくなるような少数民族の村落といった、異国情緒溢れるシチュエーションを楽しむだけでなく、水没した村の屋根屋根を飛び越えながら戦ったり、視界の悪い葦畑を突き進んだり、空を舞いながら戦ったり、果ては、ブラックホールのすぐ近くの幻想的な空間を飛び回ったりと、とにかく大小様々な印象的シチュエーションがプレイヤーを迎えてくれます。
『ベヨネッタ』や『DmC/DEVIL MAY CRY』辺りから、リアルタイムに変化する地形の中で超絶アクションをするというようなシチュエーションは、ゲームの典型的な盛り上げ方の一つとなりましたが、本作もその流れの中にあると言えるかと思います。
近年のFPSで言えば、『TITANFALL 2』のキャンペーンモードのシチュエーションは、かなり多種多様でしたが、あのノリを期待して頂ければ、大体その通りです(余談ですが、『TITANFALL 2』のキャンペーンモードは、FPS史上最高傑作だと思います!)。
ボリュームやストーリーなど、欠点もなくはない
ここまで語ってきたように、本作は無類に楽しいゲーム体験ができる一作ですが、しかし、欠点がないかと言われれば、そんなことはありません。
まず、顕著なのがボリューム不足です。
本作は、ステージ数にすれば3〜4ステージ、多く見積もっても5ステージほどしかなく(明確にステージ分けがされているわけではないので、ここら辺の感覚は人それぞれかもしれません)、よほど詰まったりしなければ、難易度ノーマルでも3〜4時間、早ければ2時間程度でクリアまで行けてしまうほどのボリュームしかありません。
また、その弊害か、ストーリーも(壮大な設定はあるように思えるのですが……)あってないようなものになっています。
一応、複数の難易度設定がありますし、自らの腕前を磨き、華麗に戦うというやり込みも楽しいですが、しかし、それでも最大で20時間も遊べればいい方ではないでしょうか?
1,980円という定価に対するこのボリュームをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人それぞれだとは思いますが、個人的には、セールで1,000円以下くらいならオススメできるかな? って感じですね。
その他、これはもしかしたら私の環境だけかもしれませんが、ステージ間の移動が不自然な箇所があったり、たまに、ADS(Aim Down Sightといって、銃を覗き込む動作のことです)が反応しなかったりすることがあるのも気になりました。
あと、個人的に気になったのは、攻撃において出来ることが多いというのはプラスなのですが、ジャンプ中に溜めて撃てる攻撃2種の効果がほぼ同じ(に見える?)だったり、地上での溜め攻撃の溜めが長過ぎ、かつ、溜め動作中の行動が遅くなるため、動き回りながら戦うというゲームデザインとの食い合わせが悪く、ぶっちゃけ、使わない方がスムーズに進めたりする(高難易度だと使い勝手が変わってくるのかな? そこら辺は未検証です)のはいかがなものかと思いましたね。
とはいえ、溜め攻撃を使わない分には爽快に立ち回れますし、攻略においては溜め攻撃の必要性もあまりないので、そこのところの欠点は目をつぶれるかとは思います。
まとめ
というわけで、今回はほぼ個人制作のゲーム作品『Bright Memory Infinite』のご紹介でした!
とにかくハイテンションかつハイスピードな戦闘が楽しい作品なので、そうした部分にビビッと来た方は、プレイしてみても面白いと思います。
ただ、ボリュームや練りきれていないゲームデザインなど、あくまでもインディー作品の域を出るほどのものではありませんので、購入に関しては、そこのところとどう折り合いをつけるかといったところですね。
私自身は、確かセールで1,000円くらいの時に買ったので、結構満足出来ましたが、定価で買うかどうかは……というところだと思います。
また、本作には主人公の見た目を(けっこう際どい格好に笑)変更可能なDLC等もあるので、ハマった方はお布施感覚でそちらも購入してみるのもありかもしれません(もっとも、FPSなので、主人公の姿はイベントシーンでしか見えませんが汗)
とはいえ、FPSの新たな方向性としては非常に意欲的な作品だとは思いますので、1度はプレイする価値があると思いますよ〜!!