ぼくのかんがえた、さいきょうのえいが『移動都市モータル・エンジン』
どうも、とりふぁです。
もともとは、中学二年生くらいに見られる、【子供的発想による大人っぽい言動】というような意味の言葉だったのですが、その後、言葉自体が一人歩きし、今では【ちょっと痛い妄想や空想】というような意味で使われることが多いと思います。
さて、今回ご紹介する『移動都市モータル・エンジン』は、まさにその【ちょっと痛い妄想や空想】を映画化したかのような作品です。
いい意味でも、悪い意味でも……(笑)
では、ご紹介していきましょう!
『移動都市モータル・エンジン』のあらすじ
【60分戦争】と呼ばれる終末戦争により、全てが滅びた後の世界。
人々は、移動式の都市に乗り込み、都市が都市を喰らう、弱肉強食の世に生きていた。
中でも、捕食都市と呼ばれる超巨大移動都市ロンドンは、その世界の頂点に立っている。
そして、今日もまた、ロンドンに狙われた都市の逃避行が始まるのだが——。
「私は、生きる!」
レビュー
中二病感満載の世界観
どうです、このあらすじ!
これだけでも、【60分戦争】やら【移動式の都市】やら【捕食都市】やら……素敵なワードが出てくる中二ワールドが広がっているのが分かりませんか?(笑)
そして本作は、この後も、中二病患者的には、「あんたも好きねぇ……♡」と言いたくなるような描写やアイテムがてんこ盛りです。
特に、移動都市や飛空挺、そして登場人物の衣装や小物などのスチームパンク感(煙の色を見るだに、蒸気機関ではなさそうですが)溢れるデザインは、【素敵!!】の一言。
もちろん、そこで展開する物語も、やりたいことが透けてくるというか、ぶっちゃけ、すげぇ無邪気にターミネーターとスターウォーズとロード・オブ・ザ・リングやってます!!(笑)
他にも、アレが好きなんだろうなぁ、とか、コレのオマージュかな? みたいな描写もあちこちに見られ、まるで、玩具箱をひっくり返したかのような映画に仕上がっています。
いえ、むしろ、中学二年生の頭の中???
とにかく、そういった描写を見るだけでも楽しいのが本作の魅力です。
やりたいことが多過ぎて、物語は散漫
とはいえ、色々と詰め込み過ぎた感はいなめず、その分、物語は非常に散漫です。
もう、思いっきりとっ散らかってますし、収拾をつける気もなさそうです。
こんなところまで玩具箱をひっくり返した感や中学二年生の頭の中感出さなくても……(汗)
というのも、これ、多分、本来なら三部作構成くらいで描くべき物語なんですよ(原作は五巻あるみたいですし)。
原作第一巻です。いつか読みたい。
例えば、移動都市の日常と、主人公とヒロインとの出会いだけで第一部。第二部はヒロインとの逃走劇と、ある女性との出会いまで。そして、第三部で最終決戦くらいの感じでやればちょうどよかったんじゃないでしょうか?
しかし、本作は、それだけの内容を無理矢理一作に詰め込んだ結果、説明不足かつ早足で次から次に新しい展開へ突入していくもんだから、何もかもが掘り下げ不足。
意味ありげに出てきたキャラクターが次に出てくるまでが異常に長く、出てきた頃には「そういえばいたねぇ、君」という状態。
かと思えばあっという間に退場してしまったり。
個人的には、ヒロインと彼女を追うとある存在との物語が非常に好みだったために、あそこだけでも一作品として観たいと思いました。
制作状況が分からないのでなんとも言えませんが、監督作ではないもののピーター・ジャクソンというネームバリューとこの題材なら、三部作にしていた方が、きっちりもとが取れたのでは……?(ちなみに、本作は大ゴケして、超大赤字だったそうです……。もったいない!)
まとめ
というわけで、『移動都市モータル・エンジン』のご紹介でした。
個人的には、極上の題材とデザインを持って作られたのに、物語が早急過ぎて、とにかくもったいない映画という印象です。
移動都市のアイディアやデザイン、そもそもの物語は非ッッッッ常に魅力的なので、是非とも、いつかまた同じ原作を、今度はもっと丁寧に映画化したものが観たいなぁと思いました。
とはいえ、とにかく設定とビジュアルは圧巻ですので、この機会に是非とも観てみて下さい!!
※本日ご紹介した、『移動都市モータル・エンジン』は、2019/12/13現在、アマゾンプライムビデオにて無料配信中です。
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