根源的恐怖が、あなたにへばりつく――『へレディタリー/継承』
どうも、とりふぁです。
突然ですが、皆さんが、一番怖いと思うことはなんですか?
ゾンビが怖いとか、幽霊が怖いとか、そういうフィクショナルなものではなくて、ピエロが怖いとか、高いところが怖いとか、そういう恐怖症的なものでもなくて、普段の生活の中で日常的に「怖いなぁ」というか、「嫌だなぁ」と思っている、そういう、根源的な怖いものです。
もしかしたらそれは、きちんと言語化できていないというか、自分でも漠然としてしか自覚していないものかもしれません。
私にとってのそういう恐怖の源は……今回ご紹介する作品で描かれているものなのです……。
と、いうわけで、今回はアリ・アスター監督による暗黒ホラーファミリー映画『へレディタリー/継承』です。
今回も直接的なネタバレは避けてレビューしますが、本作の恐怖の本質については触れておこうと考えていますし、それに、個人的に本作は、「何も知らずに観る」というのが一番いい鑑賞方法である類の作品だと思いますので、もしまだ未見の方で、絶対に何も知らずに観たいという方は、ぜひ、本編観賞後にまたいらしてもらえればと思います。
また、逆にすでにご覧になった方で、もし、「いや、別に怖くなかったけど……」と思った方も、今回のレビューを読んで頂くと、もしかしたら「ああ、そういう怖さだったのね!!」と気付いてもらえるかもしれません。
では、いってみましょう!
『へレディタリー/継承』のあらすじ
ある日、エレンという一人の女性がこの世を去った。
彼女の娘であり、ミニチュアで様々な場面を作るアーティストでもあるアニーは、彼女の葬儀を粛々とこなす。
なんの変哲もない一人の女性の、なんの変哲もない、ただの葬儀。
しかし、その葬儀を境に、アニーとアニーの家族の間に、奇妙な、そして強力な不協和音が鳴り始めるのであった——。
「——————コッ」
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観た人のお楽しみ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』をネタバレありで語り尽くす。
どうも、とりふぁです。
当初、『シンエヴァ』の記事はいつも通り、ネタバレなしパートとネタバレありパートに分けた上で一本の記事にする予定だったのですが、Twitterでアンケートを取ったところ【(記事自体を)分けて欲しい】という意見ばかりだったので、今回は、当ブログでは異例の同じ映画を2つの記事に分ける形式での発表となりました(今後はこの形式をふやしてもいいかも……?)。
というわけで、ネタバレ全開(と言っても、あらすじをダーーーっと書くのは性に合わないので、物語について直接的な語り方をするわけではないです)で、私が『シンエヴァ』をどう観たかについて、脈絡なくつらつらと書いていきますので、本編をご覧になった方は、「そうそう!」とか、「いや、それは違うだろ」とか、重い思いに楽しんで頂ければと思います。
では、ネタバレ回、スタートです!
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26年におよぶ全ての呪縛に決着を。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』(ネタバレなし)
どうも、とりふぁです。
本日ご紹介する作品は、当時小学1年生だった私が、第一話の衝撃をいまだにまざまざと覚えている作品の完結編のご紹介になります。
そしてそれは、おそらく、日本中、いえ、世界中に同じ思いの人間がいることと思っています。
しかもその作品は、一度完結した作品でもあります。
しかし、その完結の仕方は、寧ろ、多くの謎と疑問、そして【呪縛】を我々ファンに与える終わり方でした。
そんな作品の、再びの完結編。
果たして、我々の呪縛は解けるのか。
それとも、再び呪縛の中に落とされるのか。
では、ご紹介です。
(※いつも通りネタバレなしのご紹介になりますが、全く情報を入れたくないと言う方にとってはノイズになることもあるかと思いますので、そうした方は、本作観賞後にお読み頂ければ幸いです。また、今回は、明日以降早いうちにネタバレありの感想も上げる予定です)
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』のあらすじ
時に西暦2015年(※)。
人類は、使徒と呼ばれる謎の生命体による襲撃に怯えながら暮らしていた。
通常兵器の類が一切通用しない使徒に対し、唯一の有効な手段は、特務機関NERVが所有する、14歳の少年少女が駆る汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンのみ。
NERV日本支部の長たる碇ゲンドウを父に持つ少年、碇シンジは、ある日、ゲンドウにより、エヴァのパイロットとして呼び出され、数々の死線を潜り抜けることになるも、紆余曲折と度重なる喪失の果てに、重度の鬱病のような状態になってしまう。
「もう何もしたくない」
そう言って無気力状態になるシンジであったが、しかし、運命は彼を待ってはくれなかった——。
「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」
※新劇場版では、西暦についての言及はありません。
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