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生涯ベストを語る第4回『デスペラード』

どうも、とりふぁです。

今回は、個人的な生涯ベスト級作品をご紹介する【生涯ベストを語る】です。

今回ご紹介するのは、私をB級映画(意外と定義があやふやですが、個人的には、予算等はあまり関係なく、細かいことはどうでもよくなるほどに、ぶっ飛んだ映画ということにしています笑)沼に引き摺り込んだ作品デスペラード!!

さっそく、いってみましょう!!!

 

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伝説の三部作

 

 

 

 


デスペラード』のあらすじ

エル

恋人を殺され、自らも掌を撃ち抜かれた、流浪のマリアッチ。

かつて、ギターを携え、美しい旋律を奏でたその男は、今となっては、ギターケースに大量の銃火器を詰め込み、自らを地獄の底へ叩き落としたマフィアのボス、ブチョを殺すため、日夜、銃火を掻い潜る孤高のガンファイターとなっていた。

ある日、ついに男はブチョのいる街へとたどり着いた。

そして男が奏でるは、8,000発の銃弾が吹き荒れる、壮絶なる復讐のセレナータ——!!!

「礼はしたか?」

 


レビュー

アントニオ・バンデラス主演。ロバート・ロドリゲスが手掛けた伝説的三部作

本作は、メキシコ系アメリカ人監督、ロバート・ロドリゲスが自主制作で作った映画、『エル・マリアッチ』に端を発する【マリアッチ三部作】の二作目にあたります。

と言っても、内容的には一作目である『エル・マリアッチ』の内容を包括しつつ、その更に先を描くというセルフリメイク的側面もあるため、本作から観るのでもほぼ問題はありませんし、何せ前作が自主制作映画ですので、おそらく、映画好きでも、多くの方は本作から三部作に入ったはずです。

もちろん、『エル・マリアッチ』も小粒ながらキラリと輝く名作ですので、気になった方はチェックしてみてもいいと思いますし、普通にレンタルやリリースもされています。

そんな『エル・マリアッチ』が、かなり小規模な予算ながら、その面白さと出来の良さで、サンダンス映画祭で観客賞を受賞し、本作の監督であるロバート・ロドリゲスは一躍スターダムへとのし上がります。

そして、それにより、一気に予算規模が跳ね上がった状態(『エル・マリアッチ』の1,000倍の予算!!)で制作されたのが、本作デスペラードです。

ちなみに、主役であるエル・マリアッチは、役どころを変えることなく、演者が、カルロス・ガラルドー(※)から、アントニオ・バンデラスへと変更になっており、そして、アントニオ・バンデラスは、本作がきっかけでブレイクすることになります。

現在のバンデラスの活躍を見ても分かる通り、この変更は大正解でした。

前作のエルは、ただの流れのマリアッチで、ちょっとした運の悪さからマフィア同士の抗争に巻き込まれてしまうという頼りないキャラクターだったのです。その意味で、前作でエルを演じたガラルドーは、はにかんだ笑顔が素敵な当たり役でした。

しかし、本作のエルは、それからしばらく経ち、タフでセクシーな孤高のガンファイターでありながら、茶目っ気もあるというキャラクターになっています。

そのキャラクター性と、バンデラスの濃ゆいけれども親しみのある演技は、まさにベストマッチ

ランボーがスタローンであるように、マクレーンがウィリスであるように、エルはバンデラスなのです。

それほどのハマり役だと思います。

 

そのハマり役っぷりは、三部作の完結編であるレジェンド・オブ・メキシコ/デスペラードでも健在で、クセの強いサンズ捜査官という役を見事に演じ切ってみせたジョニー・デップや、アクの強い役をやらせたら右に出る者のいないウィレム・デフォーなどの名優が群雄割拠していた中でも、キチンと伝説のガンファイターとしての貫禄を発揮していました。

 

※ちなみに、カルロス・ガラルドーは、本作においてはエルの仲間の一人、カンパを演じています。セリフなしかつ、非常に短い出演時間ながら、残すインパクトは絶大でした(笑)


・荒唐無稽、爽快感無比な壮絶なるガンファイト

そんな本シリーズ最大の魅力は、なんといっても、荒唐無稽ながら、爽快感抜群の壮絶なガンファイトです。

まず、ギターケースに大量の銃火器を仕込んだ流浪のガンファイターというだけで、厨二病設定モリモリなわけですが、そんな彼が繰り出すのが、100万発入りとしか思えないコスモガンな二丁拳銃や、ソードオフした水平二連ショットガンなど、効率とか実用性無視のカッコいい銃ばかり(笑)

そんな銃を、あらすじでも書いた通り、8,000発ブチかますわけですから、その爽快感たるや……というわけです。

しかも、その銃撃戦の数々もいちいち気が利いていて、ただぶっ放すだけではない、様々なシチュエーションでのガンアクションが堪能できます。

特に、お互いが弾切れを起こした状態で、床中に散乱した銃を拾いあいながらのロシアンルーレット的な撃ち合いや、本作の白眉であるカンパキーノという、マリアッチ仲間を召喚しての壮絶な銃撃戦は、今後もずっと語り継がれていくであろう名シーンです。

カンパとキーノ(特にキーノの射撃姿勢)については、あちこちで散々、パロディ化されてますね(笑)

あのシーンのバカバカしくも突き抜けたカッコ良さだけでも、本作を観る価値は十二分にあります!!

もちろん、続編でも、いちいちカッコいい銃撃戦のオンパレードなので、合わせてご覧下さい!!!!(実は、私個人としては、続編の方が好き笑)

 


・信頼できる男、ロバート・ロドリゲス

さて、本作を手掛けたロバート・ロドリゲスですが、個人的には、大好きな監督ベスト3に入る監督さんでもあります。

作品の面白さはさることながら、それ以上に、信頼できる男感が凄まじいのです。

まず、当然のことながら映画愛が強い

シネフィルとしても名高い、あのクェンティン・タランティーノの盟友であり、自身もまたシネフィルであることから、タランティーノに負けず劣らずの深い映画的教養に裏付けられた彼の映画は、とにかく底抜けに面白いです。

それでいて、映画に詳しくなくても楽しめてしまうのは、やはりタランティーノともども、彼の凄いところ。

さらに、強烈な作家性を持ちながら、職業監督としても優秀であるというのも彼の特徴で、シン・シティシリーズでは、ザック・スナイダーの強烈な個性を再現してみせましたし、最近では、『アリータ:バトル・エンジェル』にて、どこからどう見てもキャメロン映画にしか見えない上に、原作である銃夢のファンも納得し得るクオリティに仕上げるという無理難題を難なく成し遂げていました。

すごいぞ、俺達のロドリゲス兄貴!!!(笑)

さらに、好きになっちゃう最大の要素があるのですが、それはまた次の項にて。

 

 


・映画を作りたい人必見の特典映像

【マリアッチ三部作】は、本編が面白いことはさることながら、さらに面白く、そしてタメになるのがその特典映像です。

というのも、特典映像の中で、自主制作映画出身監督だからか、その映画を撮るための手法を惜しげもなく手ほどきしてくれているのです!!!

しかも、その手法は、やろうと思えば誰でもできるレベルのものだったり、あるいは、いかに予算を抑えていい映画を撮るかのコツだったりして、映画を作ってみたい人には最高の内容。

また、料理好きでもあるらしく、レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラードの特典映像では、劇中で印象的に登場するメキシコ料理【プエルコ・ピビル(スパイシーな豚の蒸し焼き)の作り方を、実演しながら教えてくれてたりします(笑)

この特典映像を観ると、ロバート・ロドリゲス「兄貴!!」と呼んで慕いたくなるはず……!!!

ぶっちゃけ、【プエルコ・ピビル】に関しては、日本ではなかなか手に入りにくい材料もあったりするのですが、それでも、揃えられるものと、代用できそうなものを揃えて作ってみたら、めちゃくちゃ美味しく作れましたよ!!!

久しぶりにまた作ろうかなぁ……。

 


・まとめ

ということで、デスペラードのご紹介でした。

本作は、とにかくどこを切っても唯一無二な魅力満載で、当時、小学生だった私は、その魅力にガッツリとやられてしまいました……!(まぁ、唯一無二だからこそ、合わない方には合わない気もしますが笑)

本作を観て以降、この魅力を求めて様々なB級アクション映画を観漁りましたが、それでもなお、やはり本作が唯一無二にして至高のB級アクション映画であるという点は揺るぎません

個人的には、『処刑人』リベリオンと共に並び称されるべき、カルト的B級アクション映画だと思います。

本記事を読んで、少しでもピンと来た方は、ぜひ観ることをオススメします。

私は、本作で完全に人生を狂わされましたよ(笑)

 

 

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