trifa’s grind house.

心に残った映画や海外ドラマの備忘録です。Amazonプライムが主になるかと。

あなたは、きっと騙される『ロスト・ボディ』

あなたは、きっと騙される――。

こんなキャッチコピー、よく見ますよね?

本当に上質で、まったく読めない作品から、「オチ、読めちゃったなぁ~」というものまで、玉石混合なキャッチコピーだと思います。

今回紹介する『ロスト・ボディ』、私は見事に騙されました。

『ロスト・ボディ/El cuerpo』のあらすじ

アレックスは、年上で傲慢な妻、マイカとの日々に疲れ切り、彼女を毒殺してしまう。

完全犯罪になるはずだった彼の犯行計画は、しかし、死体安置所から死体が消えるという、恐ろしくも馬鹿馬鹿しいアクシデントにより、徐々にヒビが入っていく――。

「彼女は、生きているんだ――!!」

youtu.be

レビュー

死体が消えるとか、死者が復讐してくるっていうのは、割と定番ネタとしてあると思います(ちなみに、現代のEl cuerpoは、スペイン語で死体という意味だそうです。まんま系のタイトルですね)。

しかしながら、本作はそれを上手く利用した罠がしかけられており、結構、オチが読めてしまうことが多い私でも、まんまと騙されてしまいました(若干、反則気味ではありますが汗)。

あまり色々書くとネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、あえて言うなら、「物語的視点誘導が巧み」ということだと思います。

要するに、観る側が注目する部分や、裏を読もうとする部分を、上手くズラさせているのです。

観終わった時の感想としては、「そっちの話しだと思って観ていたら、あっちの話しだった!」という感じです。

この、物語的視点誘導が上手い作品ですが、例えば、京極夏彦さんの小説、魍魎の匣なんかは、かなり上手だと思います(映画版は微妙な出来でしたが、それでも、原作とは違った面白さがありましたね。箱屋敷をダンジョンとして描くっていうのは、なかなか面白い発想です。ただ、頑丈な箱とも形容されるような木場刑事に、オフホワイト芸人がキャスティングされているのが許せません。まったくイメージが違いますし、第一、あの演技力では、木場修の、単純なようでいて実は複雑というキャラクターは演じきれません)。

本作は、その物語的視点誘導で、上手く真実を隠しているため、観る者は騙される快感を味わうことができます。

また、メインキャラクターであるアレックスが、個人的にものすごくムカつくタイプの人物だったため、「ざまー!!!」的要素も楽しめました(笑)

あとは、アレックスの浮気相手、カルラが、MCU版ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)とスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)を足して二で割ったような美人さんだったのも高評価でした!!

何を書いてもネタバレになりそうなため、今回はここで終わりにしておこうかと思いますが、とにかく、ホラーなのかサスペンスなのか、最後まで読み切れない本作。

一度観てみても損はない良作です。

それにしても、明日からの流れにも繋がる話しなのですが、アマゾンプライムのいいところは、こういった、日本ではなかなか公開されず、また、DVD屋でも邦題の時点で敬遠しがちな、ハリウッドや東アジア圏の海外作品が気軽に観れるところですね。

皆さんも、掘り出し物を見つけたらコメントお願いします^^

※今回紹介した『ロスト・ボディ』は、2019/10/13現在、アマゾンプライムにて無料配信中です