【邦画ナメんな!】2010年代のオススメ邦画一挙紹介!
どうも、とりふぁです。
いやぁ、アカデミー賞、とんでもない歴史的展開になりましたね!!
非英語圏の映画では獲れないと言われていた作品賞を、まさかまさかの『パラサイト/半地下の家族』が受賞するとは……!!!
まさに、映画界隈に激震が走った瞬間であり、そして、今後の映画業界を確実に一変させる出来事だったと思います。
国策として映画の後押しをしていることもあり、韓国映画のレベルが非常に高いことは、映画ファンの中では周知の事実だったとはいえ、ついにここまで上り詰めたか! という感じですね。
しかし、Twitterを眺めていると、ちょっと嫌な流れが……。
というのも、「韓国映画があそこまで上り詰めたのに、邦画はダメ」みたいな呟きが増えたんですよね……。
私個人としても、この流れはありそうだなとは思っていたので、「案の定来たか」、という感じではありましたが。
確かに、未だにダメな邦画は多いです。
ですが、一時期の、テレビ局主導での漫画の低レベルな実写化や、テレビドラマの延長線上としての劇場版(いわゆる、劇場版◯◯や、◯◯the movie系ですね)ばかりで、【石を投げれば駄作に当たる】という惨状だった頃(体感では、90年代〜2000年代)に比べれば、今の邦画は格段にレベルが高くなってきていると思うのです。
というわけで今回は、ちょっと趣旨を変えて、最近の邦画、具体的には、2010年代の傑作・名作邦画や、個人的に好きな邦画をご紹介しようと思います!
邦画ナメんな!!
- ・『るろうに剣心』シリーズ
- ・『亜人』
- ・『RE:BORN』
- ・『アイアムアヒーロー』
- ・『SCOOP!』
- ・『凶悪』
- ・『22年目の告白〜私が殺人犯です〜』
- ・『ディストラクション・ベイビーズ』
- ・『海街diary』
- まとめ
・『るろうに剣心』シリーズ
まずご紹介するのは、『るろうに剣心』です。
この作品は、2012年の『るろうに剣心』から、2014年の『るろうに剣心/京都大火編』、『るろうに剣心/伝説の最期編』という三作品が作られており、最新作にして完結編の『るろうに剣心/最終章』二作が、今年上映予定ですね。
本作は、いわゆる【漫画実写化作品】の流れの一作です。
しかしながら、それまでにあった凡百の漫画実写化作品とは一線を画すレベルの出来になっています。
もちろん、コスプレ大会っぽくなっちゃっている部分や、「これはちょっと……」という部分もなくはないのですが、それを補って余りある役者陣の名演の数々と、なにより、世界水準レベルのアクションシーンが満載です!
私自身、大のるろ剣ファンであり、そして、ご存知の通りの映画ファンでもあるため、正直、本作を観るまでは「きっとコレも駄作だろうな」とスルーしていたのですが、周りから聞こえる高評価の声に後押しされ、実際に観てみたところ、「こ、これは……!!」と大ハマりしてしまい、2014年の二作品は劇場に駆けつける始末でした(笑)
個人的には、【漫画実写化】の悪いイメージを払拭してくれた一作でしたね。
・『亜人』
こちらも【漫画実写化】映画です。
正直、映画としては微妙な部分も多々あるのですが、そんなことはさておき、こちらもまたアクションシーンが凄まじいです!!
CGもそこまで違和感ないレベルでしたし、何より、ガンアクションが半端じゃない!!!
正直、綾野剛演じる佐藤がSATを相手取り、ショットガン片手に大立ち回りを演じるシーンのアクション描写の凄まじさは、完全にハリウッドレベルに達していると思いましたね。
そこに至るまでは退屈だったんですが、そのシーンには頭をぶっ叩かれる思いでした。
アクション好きなら必見の一作です。
・『RE:BORN』
近年の邦画アクション映画という意味では外すことのできない一作がこちら。
日本のスタント界では外すことのできない一人、TAK∴こと、坂口拓さんの映画復帰作にして、彼の師匠であり、数々の特殊部隊等に軍事アドバイザーとして参加した経験もある稲川義貴氏の全面協力のもと、日本の古武術を現代の軍隊格闘へとアップデートしてみせた殺人術【ゼロレンジコンバット】をフィーチャーした一作です。
こちらは先に紹介したハリウッド的アクションとは違い、『ザ・レイド』に代表されるような、激しいだけではなく、リアルな戦闘描写が見ものです。
予算規模としてはとても小さな作品ではありますが、内容的にはまさに日本版『ザ・レイド』と言った感じで、とにかくパワフルかつ高密度なアクションが魅力の映画です。
・『アイアムアヒーロー』
続いては【ゾンビ映画】です。
これもまた【漫画実写化】作品ですが、本作の場合、原作の肝となる要素をうまく抜き出して、オリジナル作品として成立させていると思います。
そして、その上で、きっちりゾンビ映画として世界水準に達しています。
邦画のゾンビ映画でこれだけのモノが観れると思っていなかったので、私としては狂喜乱舞しましたね。
それでいて、日本を舞台としたからこその良さや、原作にもある【男根主義的男性性vs去勢された男性性】という現代日本ならではのテーマ性も盛り込んでいて、かなり見どころのある作品となっています。
そして、ラストの大泉さんの演技には号泣必至!!
・『SCOOP!』
お次は、凄腕ながら、レベルとしてはド底辺なカメラマンを主人公としたサスペンスドラマ(でいいのかな?)です。
『盗写1/250』という、知る人ぞ知る名作テレビ映画のリメイク(原作未見です)。
『◯◯実話』的な下世話なスクープを専門にするカメラマンと、ひょんなことからその弟子になった新人カメラマンとのバディムービーとしても面白いですし、芸能スクープカメラマンの実態を描くお仕事映画としても興味深いです。
特に、リリー・フランキーの名演と、予想外の方向へと突き進んでいくラストの張り詰めた緊張感がたまりません。
・『凶悪』
邦画お得意の【実録犯罪映画】ですね。
こちらは、上申殺人事件をモチーフに、実行犯のとある告白と、それを追う記者の視点で描かれていきます。
とにかくエグい描写が満載の作品ではありますが、個人的に、邦画はこういう【エグい映画】でこそ、その本領を発揮すると思っています(今回は触れませんが、同じく実録犯罪映画の『冷たい熱帯魚』とか)。
本作と前述した『SCOOP!』とを観ると、リリー・フランキーさんがどんなに善良な演技をしていようとも、いつかこっちに牙を剥いてくるんじゃないかと疑心暗鬼になること請け合いです(笑)
また、本作は中盤でとある場面転換が入るのですが、そのシーンのドキッとする手際の良さが最高です。
・『22年目の告白〜私が殺人犯です〜』
韓国映画『殺人の告白』のリメイクでありながら、設定以外はほぼほぼオリジナルという作品ですね。
本作の魅力は、なんといっても二転三転し、先の読めないストーリー展開と、伊藤英明、藤原竜也という、二大味濃い俳優による演技合戦でしょう。
観始めた時に想像していた場所とは、まったく違う場所へと着地していく快感に溺れてください!
・『ディストラクション・ベイビーズ』
お次は、柳楽優弥、菅田将暉という若手実力派俳優のW主演映画です。
遊び半分に始めた暴力ゲームをきっかけとした、後戻りできないヒリヒリとした空気感がたまりません。
とにかく主演二人の演技力が爆発していて、柳楽くんはもう最初のショット一発でケンカジャンキーにしか見えませんし、菅田くんは生粋のクズにしか見えません。
物語としても、退屈しのぎのただの遊びが、みるみるうちにエスカレーションを起こし、最終的には酷いところまで行ってしまうという、現代の若者の抱える闇を寓話的に描いていて、見応えがあります。
それでいて、柳楽くんが徐々に喧嘩慣れしていく様は、バトル映画のように燃える展開でもあります。
しかし、その姿に燃えれば燃えるほど、楽しめば楽しむほどに、「ほら、お前もこっち側やんな?」とでもいうかの如き構成も巧みですね。
・『海街diary』
エグい作品が続いたので、最後はお口直し的なこちら(笑)
複雑な事情を抱えつつも、どこにでもいる四姉妹を主人公にしたホームドラマ的一作。
【漫画原作映画】ながら、ドキュメンタリー畑出身の是枝監督らしい、えげつないまでのリアルさで構築されているのが特徴です。
四姉妹を演じるのが、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずというだけでも凄いのに、さらにそこに故・樹木希林、大竹しのぶ、風吹ジュンまで揃う、日本女優版アベンジャーズな一作でもあります。
とにかく、彼女達の自然な演技による演技アンサンブルが凄まじく、大きなことが起こる映画ではないにもかかわらず、最初から最後まで目が離せない!(かつ、眼福!!)
また、大人でも子供でもないという、一瞬しかないモラトリアムな時期の広瀬すずを、最高の形で切り取っているという意味でアイドル映画的側面もあり、とにかく素晴らしいです。
まとめ
というわけで、個人的にオススメな2010年代の邦画をご紹介しました。
なんだかジャンルが偏っている気もしますが、そこはご愛敬(笑)
この他にも、まだまだご紹介したい2010年代邦画がありますし、まだ観れていないけれど評価が異様に高い作品もたくさんあります。
とにかく、これは声を大にして言いたいのですが、作品としての邦画がダメな時代は、もう終わっています!!!
だから、今後、邦画でもアカデミー賞を狙える作品は出てくると思います。
つい最近も、『万引き家族』で是枝監督がパルムドールを獲っていましたしね。
ただ、だからといって、今の邦画を取り巻く環境をいいものだとは思いません。
相変わらず、作品的評価は横に置いておいて、【稼げるかどうか】という指標に基づいた映画作りは横行していますし、作品的に素晴らしい作品よりも、そういう【稼ぎ目的の映画ばかりが宣伝される】という状況もあります。
しかし、その一方で、いい邦画や、新しい才能がドンドン出てきているのも確かなのです(今回は、比較的メジャー作品ベースで紹介しましたが、最近はインディ作品で目を見張る才能が出てきているのです)。
問題なのは、そういった作品が、【一部の映画好きにしか届いていない】ということでしょう。
だから、もし仮に責めるべき箇所があるとすれば、それは邦画という漠然としたものではなく、その配給や宣伝のあり方だと思うのです。
繰り返しますが、近年の邦画にはいい作品が増えてきています。
邦画と一括りにして馬鹿にする前に、まず、ちゃんと邦画を観ましょう。
そして、その上できっちり評価しましょう。
韓国映画がすごいのは、ポン・ジュノのような、極めて作家性の強い、誤解を恐れずに言ってしまえば、変な映画ばかり撮る監督や、そういった作品が、しっかり評価されるという観客の目の肥っぷりや、土壌の深さ、広さだと思います。
だから、個人的には、邦画がアカデミー賞を受賞するには、まずなにより、我々観客のレベルアップが第一だと思います。
観客の目が肥えれば、当然の成り行きとして、ダメ映画が稼げなくなり、そういった作品は淘汰され、作られなくなります。
世界を変えるには、文句を言う前に、いつだって、まずは鏡の中の人物を変える必要があるんですよ!!
※本日ご紹介した各作品は、2019/2/14現在、『るろうに剣心』シリーズ以外は全てアマゾンプライムビデオにて無料配信されています。
詳しいあらすじ等は、毎度お馴染み『MIHOシネマ』さんで検索してみましょう!
(『RE:BORN』以外は全部扱われてますよ~!)