絶望的状況から生存した兵士の実話、『ローン・サバイバー』
どうも、とりふぁです。
マーク・ウォルバーグと、マット・デイモンがたまにかぶるのは私だけですかね……?
ということで、本日はマーク・ウォルバーグ主演の実話系戦争アクション、『ローン・サバイバー』のご紹介です。
『ローン・サバイバー』のあらすじ
レッド・ウィング作戦。
アフガニスタン紛争の只中で、Navy SEALsによって立案、実行された軍事作戦だ。
少数の隊員による偵察で、タリバンの中心人物の一人、アフマド・シャーを捕捉、可能であれば狙撃による排除を、不可能であれば航空支援による排除を目的としていた。
派遣されたのは、マイケル・P・マーフィ大尉、マシュー・アクセルソン二等兵曹、ダニー・ディーツ二等兵曹、マーカス・ラトレル一等兵曹の4名。
困難はあれど、いつもの任務の一つ。
誰もが無事に帰れると信じてやまなかった作戦行動のはずだった。
しかし、この作戦は、後に、Navy SEALs史上最悪の悲劇と呼ばれることになる——。
「こいつらを解放すれば、200人のタリバンに追われるハメになるんだぞ?!」
レビュー
Navy SEALs史上最悪の悲劇を描いた実話
※史実のため、この項のみ若干のネタバレを含みます。
本作は、先日ご紹介した『ハクソー・リッジ』と同じく、実話をベースとした戦争アクション映画です。
あらすじにも書いた通り、アフガニスタン紛争時に、タリバンの幹部を排除すべく立案、実行された【レッド・ウィング作戦】について描かれています。
この作戦は、結果として19名もの兵士が戦死し、さらに、標的である、シャーの排除にも失敗するという有様で、まさに最悪の結果となりました。
本作では、その作戦の始まりから、一時撤退までの間に起こった、ある一つの美談をメインに描くのですが、しかしながら、Navy SEALs作戦司令の対応のお粗末さにより、個人的には、素直には受け止められない作品でした。
山岳部での任務なのに、通信障害の可能性を考慮していなかったことや、作戦行動中にも関わらず、即応部隊を援護するためのガンシップが出払ってしまうというありえない事態。
さらに、ガンシップの援護なしで兵員輸送ヘリを飛ばし、案の定撃墜されるなど、あまりにもお粗末過ぎます。
作戦失敗のそもそものきっかけについては、まぁ仕方ないとしても、その後の対応がきっちりしていれば、少なくとも戦死者は、もっともっと少なかったはずです。
そういう背景があるため、ラストシーンを美談的に盛り上げているのを「なんだかなぁ……」と思いながら見つめてしまいました(汗)
言いたいことは分かるんですけどね。
ただ、もうちょっと描き方ななかったのかなぁと。
絶望的な状況下での壮絶な銃撃戦
本作の白眉は、間違いなく、中盤の銃撃戦でしょう。
たった4人の兵士が、限られた装備で、200人余り(史実では150人程度だったそうですが、圧倒的な戦力差は変わりません)のタリバン兵相手に撤退戦を演じるというだけでも絶望的なのに、その上、本部との連絡はつかず、銃槍は増え、治療はできない。
追い詰められた先の崖を必死の思いで飛び降りても、すぐまた銃弾と擲弾の雨あられ。
片目は潰れるし、ジャム(弾詰まり)も起こる。
おおよそ、戦場で起こって欲しくないことのオンパレードという銃撃戦は、まさに凄まじいの一言。
この一連のシーンだけでも、本作を観る価値は十分にあります。
中でも、二度ある決死の飛び降りシーンは、階段落ちなんて目じゃない、スタントマンの度胸と根性で成り立っている凄まじい落下描写です。
あんなに痛そうな転げ落ちは初めて見た……!!
しかも、全員満身創痍で、そのまま銃撃戦は続行という地獄絵図。
ゴア描写があるというわけではないのですが、この絶望感はなかなかのものです。
まとめ
そんなわけで、『ローン・サバイバー』のご紹介でした。
正直、全体を見ればそこまで美談じゃない話を、無理矢理美談に仕上げようとしているため、かなり引っかかる作品ではあります。
細かいところだと、基本的に字幕を当てられないアフガンの人々の台詞に、とある場面だけ字幕がつくのも興醒めではありました。
しかしながら、中盤の絶望感と落下シーンは本当に凄まじいので、そこだけでも十分お釣りが来るかと。
とはいえ、これは実話。
できることなら、もう二度とこんなお粗末な作戦が実行されることがないことを祈っています……(汗)
※本日ご紹介した、『ローン・サバイバー』は、2019/12/28現在、アマゾンプライムビデオにて無料配信中です。