リーアム・ニーソン、今度は電車で大暴れ!『トレイン・ミッション』
どうも、とりふぁです。
皆さん、普段、電車って乗りますか?
私は、前の職場へは車で行っていたのですが、今の職場は駅から近いので、電車で通勤しています。
つまり、ほぼ毎日同じ時間の同じ電車に乗っているわけですが、毎日毎日そんなことをしていると、同じ車両に乗っている人の顔や、降りる駅くらいは覚えてしまうわけで……。
今回は、そんな私のような男が大事件に巻き込まれる作品『トレイン・ミッション』のご紹介です!
『トレイン・ミッション』のあらすじ
10年前、マイケル・マコーリーは、家族のために警察の仕事を辞め、現在は保険会社で働いていた。
しかし、その保険会社から突如としてリストラ勧告を受けてしまう。
家のローンもあり、息子はまだ大学に通っている。貯蓄はなく、そして、自分は60歳。
まさに人生の一大事を迎え、失意の中でいつもの通勤電車に乗り込んだマイケルだったが、そこで彼は、奇妙な女性から、不可思議なゲームを持ち掛けられる——。
「次の駅に着く頃には、あなたがどういう人間か分かるわ」
レビュー
リーアム・ニーソンの孤軍奮闘映画
リーアム・ニーソンが事件に巻き込まれ、たった一人で解決のために悪戦苦闘する!
こういうの、『96時間』以降、もはや映画のいちジャンルと言えるくらい沢山作られてますよね(笑)
リーアム・ニーソンって、元々は『シンドラーのリスト』とか『マイケル・コリンズ』などで名を馳せた【名優】路線の俳優さんだったのですが、2008年公開の『96時間』で、突如としてアクション俳優へとシフトチェンジ(それ以前にも『スター・ウォーズ/EP1:ファントム・メナス』とかでアクションはやってましたが)。
その特徴としては、セガール神拳(※)並の無敵っぷりを発揮しつつも、精神的にはどこか不安定で、神経質で、なんなら、「この人、大丈夫かしらん?」と思わされるようなキャラクターを、その確かな演技力で表現するという、アクション俳優としては、ありそうでなかったタイプの演技かと思います。
そして、そんなリーアムの演技と相性がいいのが、本作の監督ジャウム・コレット=セラが得意とするような、ニューロティック・サスペンス(神経質的な異常心理状態で展開するサスペンスのこと)です。
そんなわけで、この二人、非常に相性がよく、本作を含めて4作もタッグを組んでいます。
その4作品は、いずれもリーアム・ニーソンを無茶な状況に追い込むサスペンス的な映画というのが共通していますね(というか、近年のリーアムのイメージは大体これのせい(笑)
中でも、飛行機の中で無茶な事件に単独で挑んでいくという『フライト・ゲーム』は、監督自身が本作を精神的続編というほどに似通っています。
ですが、個人的には、本作の方が断然面白かったですね!
しっかりパワーアップしてます!!
※セガール神拳:スティーブン・セガール主演映画で見られる格闘方法。主に相手の手首を掴むのが特徴。相手は死ぬ。セガール映画は、アクション映画でありながら、セガールがピンチに陥るということが極端に少ないため、どちらかと言うと俺TSUEEEE系ですね(笑)
本作とも通じる、電車内を舞台にしたセガール映画です。相手は死ぬ。
観る者を飽きさせない細かな演出が光る
とまぁ、そんな感じで、本作もニーソン映画としてはいつもの感じなわけですが、ただ、本作は細かい演出や見せ方が面白いため、飽きずに観ることができます。
特に、個人的にフレッシュ! と思ったのが、オープニングの演出。
似たような映像がなんどもなんども繰り返されたり、ポツンと歩いていくリーアムの周りの人が、ものすごい勢いでグワーっと動いたりしていくのですが、これ、要するに彼の10年間の通勤の様子を圧縮して見せているんですね。
この演出は斬新かつ効率的で、非常に面白かったです。
その他にも、電車の先頭車両から最後尾まで一気に見せていく演出や、中盤で展開する、擬似的な長回しと独特な早回しの格闘シーンなども、どこかで見たような様でありながら、何か違和感を感じさせるなど、なかなか凝った作りで面白いですね。
この映像表現や演出だけでも観る価値はあると思います。
グイグイ引き込まれていく神経質サスペンス
そして、なんと言ってもやはりストーリー。これが面白いですね。
ある女性のたった一つの提案をきっかけに、ソリッドシチュエーションモノ(※)にも通じるような謎解きが始まるんですが、10年間、毎日乗ってきた通勤電車が、一転して見知らぬ異世界になる感覚や、おかしいのは自分なのか? という感覚に陥る感じなど、リーアムの演技力も相まって、極上のサスペンスです。
もっとも、タネが明かされてしまうと、「そもそもこの計画って……」と、アチコチ気になる部分も出てはくるんですが……観ている間はさして気になりません(笑)
ま、ご愛敬ってことで!
※ソリッドシチュエーション:ある限定的(固定的=ソリッド)な空間や条件に基づいて展開する作品ジャンルのこと。『CUBE』と『SAW』が二大巨頭で、以後、かなりたくさん作られていますし、ソリッドシチュエーションと見せかけて……な作品もあります。
電車モノならではの迫力シーンまである
序盤〜中盤にかけて、通勤電車という固定されたシチュエーションの中でサスペンスが進行していくわけですが、ラスト付近になると、「待ってました!」と言うようなド迫力シーンも増えていきます。
ここら辺は、もうサービスの域ですね(笑)
そして、個人的には、最後の敵との決着の付け方も好きでした。
ああいう、トンチ的に倒すのは大好物です!
まとめ
というわけで、『トレイン・ミッション』のご紹介でした。
正直、いつものリーアム映画って感じですが、その中では、かなり当たりだったかなと思います。
少しダレる展開もなくはないのですが、基本的には最初から最後までハラハラドキドキ楽しませてもらいました。
今月の、【ザ・ちょうどいい映画】かもしれません(笑)
本作の監督&主演コンビの作品群です
※今回ご紹介した『トレイン・ミッション』は、2019/12/10現在、アマゾンプライムビデオにて無料配信中です。
毎度おなじみ、『MIHOシネマ』さんの記事です↓