個人的には少年漫画原作アニメ最高傑作……かも!?『僕のヒーローアカデミア』
どうも、とりふぁです!
前回挙げた『鬼滅の刃』をキッカケに、嫁さんとアマプラで観れるアニメを漁るサイクルが出来たのですが、中でも二人で最高にハマった作品が『僕のヒーローアカデミア』でした。
特に嫁さんのハマりっぷりが尋常ではなく、これまで、嫁さんにとっての生涯ベスト漫画だった『NARUTO』を超えたとまで言っているくらいです(笑)
もちろん、それも大袈裟ではないくらいの素晴らしい作品なのですが……!!!
では、ご紹介です!
『僕のヒーローアカデミア』のあらすじ
ある日、中国の軽慶市で【発光する赤子】が生まれたことをキッカケに、各地で様々な特殊能力【個性】を持った人々が生まれ、今や、世界総人口の実に8割以上が何らかの【個性】を持っているという、超人社会になった世界。
【個性】を悪用した犯罪が横行し、そうした犯罪者を【ヴィラン】と呼び、そして、逆に彼らを取り締まり、また、【個性】を生かして人々を救うことを生業とする者達を【ヒーロー】と呼んでいた。
そんな中、ヒーローに憧れる少年【緑谷出久(みどりやいずく)】は、いつかヒーローになった日のために、様々なヒーローの研究をする日々を過ごしている。
しかし、彼には肝心の【個性】がない。
そんな彼でもヒーローにはなれるのだろうか……?
自問自答の日々を繰り返す彼の前に、突如として、彼が最も敬愛する名実ともにNo.1のヒーロー、【オールマイト】が現れるのだが——!!
「君は、ヒーローになれる」
レビュー
持たざる者が努力と知恵で開花する物語
本作は、あらすじにも書いた通り、特殊能力(本作では個性と呼ばれています。本稿でも今後は個性と表記しますね)を持っているということが普通な社会の中で、個性を持たずに生まれてしまった主人公が、それでも憧れのヒーローになろうとする物語です。
こう書くと、個性を持つ相手に対し、個性を持たないものがいかにして勝つかという頭脳バトル的展開を想像するかもしれませんが、2話以降、それとはちょっと異なる展開になっていきます。
というのも、主人公である【デク】こと【緑谷出久】には個性がないのですが、しかし彼は、憧れのヒーロー、【オールマイト】に認められ、オールマイトの個性である【ワンフォーオール】を譲り受けるからです。
もっとも、ワンフォーオールは肉体を極限まで強化するという最強の個性であるが故に、デクの肉体では負荷が大き過ぎるため、しっかりと鍛えないと、譲り受けることすらできず、また、譲り受けてからも【ワンフォーオールを発動すると、発動した部位が壊れてしまう】というかなり大きなハンデを背負うこととなります。
そのため、デクは、たゆまぬ努力によって肉体を鍛え、そして、どのようにワンフォーオールを使うのかを常に思考しながら活躍していきます。
つまり、力を譲渡はされるものの、最近流行りの、持たざる者がいきなり最強になって活躍するという物語(なろう系と呼ばれてるやつですね)ではなく、昔ながらの【持たざる者が努力と知恵によって才能を開花させていく】王道ストーリーなのです。
そして、だからこそ、バトルシーンも、力を駆使したゴリ押しではなく、自分の能力と代償を天秤にかけ、どこにどうリソースを割くかを常に考えながら戦うという、頭脳戦になっているのもまた面白いところ!
その場面でなぜ勝てたのか、なぜ危険なのかのロジックがキチッとしているので、読んでいて納得度が高いのも良い点ですね。
毎話感動する! エモーショナルなセリフや話運びの妙!!
そして、私が本作で最も心を打たれたのが、毎話毎話、どこかで必ず感動させられるということです。
特に、テレビアニメ第1期はその傾向が顕著で、大袈裟ではなく、毎話毎話涙ぐませられ、時にはダバダバと涙しながら観ることもありました……(笑)
コレって、何気に凄いですよね。
その秘密は、おそらく、セリフと話運びの妙にあると思います。
例えば、あらすじの締めの言葉としても使わせてもらった、第一話のセリフ「君は、ヒーローになれる」というもの。
このセリフは、デクが憧れのヒーロー、オールマイトからかけられる一言であり、非常にシンプルな言葉なのですが、第一話という短い話の中で、そこに至るまでに、デクが何度も見下され、高い壁を突き付けられ、【個性がない】という最大の弱点のために、当のオールマイトにすらも「君がヒーローになるのは、無理だ」と指摘されて、膝を折りそうになるのを見せつけられます。
しかし、それでも諦めきれない彼が、ヒーローには欠かすことのできない、最も大切なあるものを発揮したことで、オールマイトに認められ、満を持して言われる一言なのです。
そしてそれは、彼の障害と挫折だらけの人生の中で、最も欲し、しかし、得ることのなかった一言なのです。
そのことを、たった30分という時間の中で非常に上手く描き切っているために、心が震えるほどの感動を与えられるのです。
そして、そのような丁寧な積み重ねによる感動が、毎話毎話あるという……!!!
これが出来ている作品は、あるようでなかなかありません。
それだけでも、おすすめできる作品です。
文字通り個性豊かなキャラクター達
本作は、敵味方だけでなく、モブまで合わせて、かなりの数の特殊能力者が出てきます。
もちろん、そのどれもが個性的かつ魅力的です。
例えば、個人的に大好きなキャラ、【蛙水梅雨(あすいつゆ)】という女の子は、【カエル】という個性を持っていて、高速で舌を伸ばしたり、壁に張り付いたり、ものすごい高さのジャンプをしたりと、カエルができることなら大体できるというキャラクターであり、そして、見た目もカエル風です。
しかし、それでいてマンガ絵的にしっかり可愛いという、ありそうでなかった神がかり的なデザインだと思います。
その他にも、右半身から氷を出し、左半身から炎を出す【半冷半燃】の【轟焦凍(とどろきしょうと)】もクールでメチャクチャ強く、家柄も素晴らしいという『NARUTO』におけるサスケのようなポジションでありながら、天然な一面があり、ナチュラルに萌え狂わせるキャラとして魅力が爆発しています(笑)
他にも魅力あふれるキャラクターが山ほど出てくる本作ではありますが、最も魅力的なキャラは、やはり、名実ともにNo.1のヒーローであるオールマイトでしょう。
彼は、跳躍力だけで空を飛び、天候すら変えるほどのパンチを繰り出すことの出来る、陣地を超えた馬鹿力を発揮する個性【ワンフォーオール】を持ち、その強大な力を用いて、日夜、人々に希望を与えています。
性格は、気さくかつ明朗快活そのもので、誰からも慕われているというのも納得です。
それでいて、案外、影ではウジウジ悩んでいたり、【みんなを救うヒーロー】だからこそ、【全ての悲劇を自分のせいにして背負い込んでしまうような悲観的な一面】もあります(ここら辺のキャラ造形は、私の生涯ベストマンガ『TRIGUN』の主人公、ヴァッシュとかぶるんですよね……!笑)。
そんな彼が、とある事件をきっかけに、デクと出会い、彼のメンターとして支えていくことになるのですが、そこでのメンターっぷりがまた素晴らしい。
決して完璧なメンターではないにしろ、デクと共に彼もまた学び、成長していくという本作の軸もなっている二人の交流は、時に胸が熱くなり、そして、時にほっこりさせられること請け合いです。
光あるところに影あり。ヒーローとヴィランの関係をよく表したストーリー
様々なキャラクター達によって紡がれる本作のストーリーもまた秀逸です。
特に、本作の主軸ともなっているヒーローとヴィランとの戦いの背景や、それによってもたらされる展開には何度も膝を打ちました。
詳しくは省きますが、序盤から常に大いなる敵として現れる【ヴィラン連合】の実質的リーダー【死柄木弔(しがらきとむら)】が悪に堕ちた理由の一旦が、【ヒーロー達の英雄的活動の影にある】という点や、とあるヴィランがヒーローを狩る理由が【純然たるヒーローのみを求めること】にある点などは、近年、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)やDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)などの盛り上がりを見せるアメコミ的な設定を上手く日本独自のマンガに落とし込めていると思います。
しかも、そのような各々の目的や、その行動、それによってもたらされた結果などが、それぞれはその場その場で完結しているにも関わらず、時に連鎖的に、時に同時多発的に相互作用を引き起こし、物語がうねりにうねっていくという展開は、まさに正しい伏線の貼り方と回収であり、非常に巧みで、グイグイと物語に引き込まれていくこと請け合いです。
コストとリターンをしっかり考えたプロの作画
そしてまた私が舌を巻いたのが、本作の作画クオリティです。
前回紹介した『鬼滅の刃』は、自社制作という強みを活かし、全編が凄まじいクオリティでしたが、本作の作画のクオリティは、昔ながらのといいますか、【コストとリターンをしっかり考えた作画】になっているのです。
どういうことかと言うと、全体的な動きやカメラワークの迫力で鑑賞者に「すごい!!」と思わせるシーンを演出しながら、その実、引きの絵や動きが激しいシーンの絵自体は、【ちゃんと手を抜いている】のです。
作画コストがかからない簡易な絵を用いながら、激しい動きとカメラワークにより、全体としては非常に迫力のあるシーンに仕上げる。あるいは、重要な話数の作画クオリティを高めるだけ高めて、その前後の話数では少し作画クオリティを落とすなどして、コストとリターンを上手く管理しながら超絶クオリティを作り出しているのです。
『鬼滅の刃』のufotableとはまた違うクオリティコントロールの仕方をしつつ、しかし、全体的なクオリティは非常に高い。
この計算高さにプロの意地を見た気持ちです。
まとめ
ということで、『僕のヒーローアカデミア』の紹介でした。
私はジャンプを買い集めているわけではないので、又聞きの知識になりますが、本作は『鬼滅の刃』以前のジャンプにおいて覇権を噂されていた作品だったそうです。
そして、実際に触れてみて、そのポテンシャルは十分にあると言うか、アメコミ的なヒーローとヴィランの関係を軸とした作劇が大衆にも伝わってきた今のタイミングだからこそ、刺さる人も多い作品なんじゃないかなぁと感じました。
原作も少しずつ集め始めているのですが、原作も原作でとにかく絵が上手い!!
アメコミ絵とマンガ絵を上手く融合させており、それでいてスッキリ見やすい構成になっているのは、鳥山明的上手さだなぁとか思ってしまうのですが、それは言い過ぎでしょうか?笑
とにもかくにも、久々に大ハマりするマンガアニメ作品に出会えました!!
皆さんも一緒にどうですか??
さらに向こうへ!!
プルス・ウルトラ!!!!
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