ヨーロッパ・コープ製戦うヒロインムービー『コロンビアーナ』
どうも、trifaです。
皆さん、ヨーロッパ・コープという映画会社を知っていますか?
水の精霊のような、女神のような女性が、首をかしげながら両腕を広げるロゴの会社です。
社長は、あのリュック・ベッソンです。
代表作としては、『96時間』シリーズや、『トランスポーター』シリーズなど。
ちなみに、個人的には、『ダニー・ザ・ドッグ』が好きですね。
で、ここまでの話しで、映画をよく観る方や、勘の良い方は気づいたかもしれませんが、この会社、毎回、なんとなーく同じような作品ばかり作っている会社なんです(笑)
大体は、肉親や恋人を失ったり、危害を加えられそうになったりした主人公が、単身で敵を壊滅させるような内容ですね。
そして、多くの場合、気の強い女性や、パルクール的な要素が入ってきたりします(ここら辺、完全にリュック・ベッソンの好みが反映されていますよね)。
傑作というには微妙ながら、でも、観ればそこそこ面白い。
そんな印象の映画会社です(笑)
今回は、そんな映画会社の作品、『コロンビアーナ』のご紹介です。
もちろん、ご多分に漏れず、いつものヨーロッパ・コープ作品でした!
『コロンビアーナ』のあらすじ
コロンビアのボゴタで、両親と共に幸せな生活を送っていた少女、カトレア。
しかし、マフィアの幹部である父と、彼のボスであるドン・ルイスとの関係が悪化したことが原因で、彼女は目の前で両親を失ってしまう。
カトレアは、父の遺言に従い、決死の脱出劇の末に、なんとかマフィアの追跡を振り切り、単身での渡米に成功する。
そこで彼女は、叔父のエミリオに殺し屋にしてくれと頼み込む。
そして、時は流れ、15年後。
凄腕の暗殺者となった彼女の復讐が始まった——。
「カトレアよ——花と同じ名前の」
レビュー
冒頭の逃亡シークエンスが素晴らしい
前述した通り、ヨーロッパ・コープの作品は、なんとなく共通するテイストがあります。
それは、ストーリーの骨格だったり、キャラクターの設定だったり、アクションの魅せ方だったりするのですが、もう一つ、秀逸なシーンが冒頭に来るというのも共通項ではないでしょうか。
例えば、『96時間』で娘がさらわれるシーン。電話越しという緊張感が素晴らしいですし、なにより、たった一言の意外な台詞だけで、主人公が只者ではないと示すあのシーンは、映画史に残る名シーンでしょう。
あるいは、『アルティメット』の冒頭。
パルクールの代名詞とも言える、生ける伝説、ダヴィッド・ベルによる、美しく、斬新で、かつ完璧なパルクールでの逃亡シーン。
パルクールがアクション映画業界に導入されてからしばらく経ちますが、あそこまで見事かつ美しいパルクールアクションは、未だに観たことがありません。
その他のヨーロッパ・コープの作品も、大体、秀逸なシーンが冒頭にあり、その爆発力を利用して滑空するかのような展開(要するに、一番面白いのは冒頭だったということが非常に多い……笑)が多いと思います。
本作においても、やはり秀逸だったのは冒頭のシーンでした。
あらすじにも書いた通り、主人公カトレアは、目の前で両親を惨殺されてしまいます。
その後、敵の幹部から諭されるような提案(=脅し)をされる(この諭されるような提案もヨーロッパ・コープでよく見る気がしますね)のですが、そこで彼女は、隠していたナイフを取り出し、敵の幹部に強烈な一撃を加え、一目散に逃げ出すのです!!
小さな体を使ったパルクール的逃亡のなんと鮮やかなことか!!
さらに、そのシークエンスの最後で、子供だからこその逃走経路を利用して逃げ延びるあたりも、非常に面白かったです。
その他の白眉としては、15年後の彼女の凄さを見せつける、最初の暗殺シーンですね。
変装や偽装、そして彼女の体技を活かした潜入、暗殺、脱出の流れは美しく、鮮やかでカッコいいです。
この二つのシーンだけでも、本作を観た価値はありました。
物語は安定のヨーロッパ・コープ・クオリティ
とはいえ、そこから先は、大体、予想通りのことが起き、大体、予想通りの展開を経て、大体、予想通りの結末を迎えるだけです(笑)
だが、それがイイ!
なんていうんですかね、ヨーロッパ・コープの映画は、近所にある、いきつけのラーメン屋みたいな感じなんですよ。
特別美味いわけではないんだけれども、たまに無性に食べたくなる。
そして、「ああ、これこれ、こんなもんだったな」って言って帰ってくる、みたいな。
この、ぬるい感じが丁度いいんです。
だってほら、毎回毎回名作傑作ばかり観るのも、けっこう疲れるじゃないですか(笑)
そんな時、箸休め的な役割をしてくれるのが、ヨーロッパ・コープだと思っています
まとめ
今回は、『コロンビアーナ』のご紹介でした。
ちなみに、主演は『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』シリーズのガモーラ役としてブレイク中の、ゾーイ・サルダナですので、MCU好きの方もチェックしてみて下さいね。
なお、一応、本作は名作『LEON』の続編として、マチルダを主人公にした作品としてスタートしたらしいのですが、どうにも収集がつかず、結果、別物として制作したという経緯があるそうです。
マチルダ主役の暗殺者映画も観てみたかったっちゃ観てみたかった気もするのですが、どう考えても蛇足にしかなりませんし、マチルダは、あの現実離れした経験と思い出を背負いながら、普通の生活を送っていると信じたいので、やはり、別作品でよかったと思います(笑)
傑作を期待して観る作品ではありませんが、「疲れない程度にそこそこ面白い映画」が観たいなぁって時にはピッタリの映画だと思います。
そして、今まで特にヨーロッパ・コープに注目したことがなかった方は、是非、このラーメン屋さんの暖簾をくぐってみてください。
そこには、【ザ・ちょうどいい】世界が広がっていますよ!!
※今回ご紹介した『コロンビアーナ』は、2019/11/7現在、アマゾンプライムビデオにて、無料配信中です。ヨーロッパ・コープ作品も何気に多いですよ!