生涯ベストを語る第三回『ロード・オブ・ドッグタウン』
どうも、とりふぁです。
今回は、生涯ベストを語るの第三回をお送りします。
過去二回は、『ダイハード』、『ダークナイト』という直球ド真ん中な二作品をご紹介しました。
【生涯ベストを語る】第一回『ダイ・ハード』 - trifa’s grind house.
【生涯ベストを語る】第二回『ダークナイト』 - trifa’s grind house.
今回ご紹介する『ロード・オブ・ドッグタウン』は、知名度こそ先の二作品に劣るものの、その完成度や胸に刺さる度合いは負けずとも劣りません。
個人的には、青春映画のマスターピースだとすら思います。
1970年代、スケートボードで世界のポップカルチャーを塗り替えた若き天才達の青春とその終わりを、その天才達の一人、ステイシー・ペラルタ自身の脚本により、若手実力派俳優達が活き活きと演じた本作。
今回は、そんな『ロード・オブ・ドッグタウン』のご紹介です!
『ロード・オブ・ドッグタウン』のあらすじ
1975年、カリフォルニア州ヴェニスビーチ、通称"ドッグタウン"。
かつて、ビーチリゾートとして栄えたその場所は、経済的に破綻し、治安が次第に悪化、スラムと化していた。
そこにあるのは、干上がった運河と、焼け焦げた桟橋、そして、海だけ。
そんな場所で、若者達がサーフカルチャーにハマっていくのは、いわば必然だった。
彼らは、ZEPHYR(ゼファー)と呼ばれるサーフチームを結成し、陸ではスケートボード、海ではサーフィンに明け暮れていた。
ここに、三人の少年が現れる。
トニー・アルバ。
ジェイ・アダムス。
ステイシー・ペラルタ。
これは、後にスケートボード界の伝説と化す彼らの、真実の物語だ――。
「ほら、お前らの滑りを見せつけてやれ!」
レビュー
若手実力派俳優達による演技を超えた演技
本作一番の魅力は、若手実力派俳優達による演技を超えた演技、まさにコレに尽きると思います。
本作の主人公の一人でもあるステイシー・ペラルタ自身が制作にガッツリ関わっていることもあり、主役三人は、もはやご本人様レベルのハマりっぷり!!
ちょっとチャラ男でお調子者のトニー、ヤンチャだけど、とことんストイックなジェイ、そして、クソ真面目だけど根は熱いステイシー。
この三人の関係性が尊すぎて、ずっと観ていたくなること請け合いです。
さらにすごいのが、全編にわたり本作の見せ場となっているSK8(スケートと読みます。有り体に言えばスケボーですね)シーン。
これらはなんと、伝説のSK8erであるステイシー自身が役者達に指導し、役者達自身がガチで滑っています。
その迫力と美しさたるや……!!!
また、彼らの兄貴分であり影の主役とも言える男、スキップを演じているのは、なんとあのヒース・レジャー!!!
子供たちをビジネスに利用しようとするダメな奴なんだけど、どうしても憎めない、そんなキャラがバッチリハマっており、個人的にはヒースのベストアクトは本作だとすら思っています(ジョーカーは別格として)。
その他にも、今となっては名実ともに大物実力派俳優の一人となっているジェレミー・レナーがちょい役で出ていたりするのも、今からすれば楽しいあたり!(しかも、一瞬しか出てこないのにちゃんと印象に残っているのがまたすごい)
キラキラとした青春とギラギラとした欲望の世界
本作で描かれているのは、Z-BOYSという伝説的SK8er集団の結成から解散、そして、三人それぞれが世界で活躍するまでの間です。
石油精製技術の発展により、スケートボードの性能が劇的に上がり、それに目を付けた少年達が夢中になってスケートしまくる前半は、貧しいながら、創意工夫で遊ぶ悪ガキ達のキラキラとした青春がつまっており、観ているこっちまで甘酸っぱい気持ちで溢れてきます。
しかしながら、その背景には貧困と厳しい現実、複雑な家庭事情などがあり、徐々に遊んでばかりもいられなくなっていきます。
そして、彼らの実力と魅力に目を付けた大人達が、彼らを利用し始めた辺りから、物語の様相が変わり始めます。
ギラギラとした欲望渦巻くショービズ業界に彼らは飲み込まれて行ってしまうのです。
ポップカルチャーのアイコンとして脚光を浴び、巨万の富を得ながらも、段々とあの楽しい日々からはかけ離れていってしまう。
前半がキラキラしていただけに、そんな胸を締め付けられる展開が、ご本人自身の脚本によって生々しく描き出される後半の苦い味わいは、胸にグサグサと刺さります。
そして迎える"あのラストシーン"。
涙なしには観れません……。
まとめ
というわけで、『ロード・オブ・ドッグタウン』のご紹介でした。
本作は、個人的にSK8が好き(でも技はできません汗)という事情もあっての個人的な生涯ベスト級作品でもあるのですが、しかしながら、少年達のキラキラとした青春が、大人達のギラギラとした欲望によって滅茶苦茶にされていくというストーリーや、迫力あるSK8シーン、そして何より、魅力的な俳優陣による奇跡的演技アンサンブルなど、万人が楽しめる作品でもあると思います。
私以外に本作を観たことがある方になかなか出会わないのですが、これぞまさに隠れた名作です。
1970年代ポップカルチャーのド真ん中を描いているだけあって、かかる音楽だったりファッションだけでも楽しいですし、女性監督ならではの、「男の子を、カッコよく可愛らしく魅力的に映す際の分かってる感」も半端ありませんので、キュートなボーイが大好きな方も必見(笑)
何より、最高の青春映画だと思うので、未見の方は是非ともご覧ください。
当ブログ的には少し短めのご紹介にはなりましたが、もうね、本作に関しては、「俺の話しはいいから、とりあえず観て!!!」というのが正直な気持ちです(笑)
絶対に損はさせません!!!!!
是非ともご覧ください!!
本作と対になるZ-BOYSについてのドキュメンタリー。本作とセットで観ることで、両方の魅力が何倍にもなります。
毎度おなじみ、『MIHOシネマ』さんでもオススメされていました↓